"En t Wine"Tour再開の前に振り返る、2014年と音楽への想い


明日、1/12からTourが再開する。




昨年から続いてる、3rd アルバム"En t Wine" Tourの続編だ。




昨年のTourの日記をAmebaブログに書いていて、後半12月辺りのTour日記をまだ書けていない状況なんだけど、それはまた少しずつタイミングを見て書こうと思っている。いつもいつも、中々思いを文に起こすのが本当に遅い。そこら辺を直そうと思うが、中々直らない。性格だな、これは。(笑)





"En t Wine"Tourは、実はTourファイナルの2015年5月17日に向けて全部で#1〜#10までやる事になっていて。明日からの九州Tourは#8。#1〜#7は、昨年の7月から12月で行った。


県内外、いわゆる全国のライブハウスやBarやカフェ、沖縄料理店でLIVEを決行し、13都道府県24ヶ所でTourをした。アルバムTourとしてけっこう回ったつもりだったけど、しっかり数えてみると13都道府県しか行っていない。まぁそれでも、これまでの中で一番数が多かったTourとなった。



今や、LIVEの出来る沖縄料理店はほぼ全国にある。何処に行ってもある。どこでも沖縄料理が食べられる。よくよく考えたら、ちょっと怖い。(笑)



Tourというもので生計を立てている沖縄の先輩ミュージシャン達は、その殆どが沖縄料理店でのLIVE巡りをしている。それ以外もあるが、そこが主要場になっている。そんな中で、sala - sajiは結成の2011年から2013年までは、沖縄料理店は一切演らずライブハウスやBar、カフェなどでLIVEをしてきた。




そこには、ちゃんと拘りがあった。





sala - sajiの音楽は、いわゆる沖縄音楽 (琉球音階を取り入れたり、三線やエイサー、民謡を含んだ音楽) というワケではない。どちらかと言うと日本風情があるというか、個人的には日本人が持ってる独特の"哀愁"がメロディーの中にある。意識してそんなメロディーを書いてるワケではないけど、意識して沖縄音楽と離して曲を書いてるというワケでもない。書きたい音楽を書いたらこうなった、それだけ。(笑)


楽器ひとつとってみても、SaxとGuitar。思いっきり外国だ。



Saxの紗奈はクラシック、僕はロックが音楽のベースになっている。僕はロックと言っても、そりゃディープパープルやツェッペリン、アメリカンやブリティッシュロックも沢山聴いてきたけど、根底にあるのは日本のロックやポップス。もしかしたら、その辺りから哀愁なメロディーはきているのかも知れない。



そんな、どちらかと言うと"ザ・沖縄"ではない日本や西洋ナイズな音楽をやっているsala - sajiが、昨年は沖縄料理店でのLIVEもやったわけで、そこにも理由があって。


まずは、メディアで告知もされていない全く無名のアーティストが見知らぬ土地でLIVEをする時に、まず問題なのが"集客"。さすがに観てくれる人・聴いてくれる人がいなければLIVEとして成立しない。沖縄料理店は普通に一般客を相手にしている飲食店だから、チケットやチャージ設定が低い (高くすると飛び込みのお客が来店しづらい) というのはあるけど、それでも、お店の方々が普段食事しに来てくれる常連さん達に告知をかけてくれているおかげで、沢山のお客さんの前でLIVEが出来る。これは、正直とても嬉しい事だ。本来なら、ライブハウスでお客さん3〜4人という時もある。それはそれで緊張感もあるし、更に深読みすれば3〜4人来てくれただけでも奇跡なんだから、満席の時と同じく、お客さんには感謝しかないんだけども。



以前、沖縄の先輩達が「沖縄料理店、sala - sajiも全然合うと思うぞ。場違いではないと思うけどな」と言ってくれた時があった。それも、沖縄料理店にsala - sajiが飛び込んだ理由の一つ。で、実際やってみたら、凄くお店のスタッフもお客さんも喜んでくれた。多分、sala - sajiの様な歌無しのインストゥルメンタルをそんなに聴いた事も無いと思う。



特に沖縄料理店のスタッフが喜んでくれるのは、沖縄の音楽が沖縄も中国もアメリカもごちゃ混ぜの"チャンプルー"音楽文化だからってのもあるかも知れないかな。だから、沖縄出身のsala - sajiが書いた音楽も受け入れられたのかも、と思う。



もちろん、飲食店だし何なら居酒屋なので、別にLIVEには興味は無い、だけど飯食いたいからチャージ代も払うよ、そんな感じで入店して、本当に終始特にこっちの音楽を聴いてるか聴いてないか分からないレベルで延々とトークを続けているお客さんは中にはいるが、そんなお客さん達の中にも感情や人情がある人たちはいるわけで。ま、やっぱり普通は自分達が食事や酒を楽しんでるすぐ側でそこそこの音量で生演奏してたら、無視って中々出来ないよね、人間は。


そんな人達の感情という心のトビラを自分達の音楽や演奏で開いていくのも、実際は楽しかった。だし、やっぱりその後声をかけてもらったり、こちらからテーブルに乾杯しに行ったりとかして、互いにありがとうを言い合うのも、悪くなかったし、むしろ気持ちいいものがあった。



ただ、やっぱりこちとらバンドマン。そういう場所だけでLIVEするのは、心が納得しない。音楽的に、全てがしっくりくるワケではない。だから、今はどちらかと言うと、ハウスとそういう飲食店などのLIVEをバランス取りながらやっている感じ。そうすると、やっぱりワンマンやTourファイナルはしっかり照明や音響を整えて更にはフルバンドでやりたいので、良いライブハウスを選ぶ。それで、良いとも思う。



昨年そうやって色んな場所でLIVEをするだけでなく、自分達の音楽の世界を一生懸命に表現しようとしてきた事で、また一つ、度胸もついたなと思って。実際に、少々うるさいくらいでは怖気つかなくなった。少しでも耳を傾けてもらえる演奏と、トークにもなってきたと思う。そもそもLIVEという場所で"うるさい"という事自体が普通ではないけれど、やっぱりそんな現場もある。
でも、こなしてきて怖気つかなくなったからと言っても、それでいいわけではない。少しでもそんなお客さんが少ない、むしろ居ないLIVE空間を、観に来てくれたみんなに提供出来ればと思ってる。それが、誰もイヤな顔をしない、イライラしない、その上で僕らの音楽をしっかり聴いて感じてもらえる理想の場所だと思ってるし。



2014年のLIVEと出逢いを経て思った事は、もっとより良いLIVE環境を作っていきたいという事。ミュージシャンとして、アーティストとして、音楽を書く事、そしてLIVEやTourを続けていく事は当たり前のことなので。その上で、演る側の僕らだけでなく、LIVEに足を運んでくれるお客さん、ファンの皆さんがより良く僕らのLIVEを楽しんでくれる環境を作っていきたい。そんな事を思った2014年。



新年2015年。それを、決行する年だ。


明日からまた旅に出る。
沢山の人間に出会うのも音楽。



結局、音楽の事しか考えてない。それしか、楽しむことがない(笑)。これが無かったらどんな人間になってたんだ?想像するだけで怖いな。(笑)



2015.1.11  sala - saji  Gt. Jin